10月10日に青山学院大学(青山キャンパス)で、2015年度西洋中世学会若手セミナー「外国語で論文を書く、報告する」を開催します。趣旨は以下の通りです。
——–
日本にいながらヨーロッパ中世にかかわる研究に携わっているうちに湧き上がってくる欲求の一つは、ヨーロッパ中世を自らの過去として研究している人びととの対話ではないだろうか。あるいは日頃から卓上で対峙している「先行研究」文献の執筆者たち──そこには日本の研究者と同じく「外国史」・「異文化」としてのヨーロッパ中世研究に従事している人たちも含まれる──に、自分の見解を伝えてみたい、議論をしたいと思うこともあるだろう。そうした思いを実現するためには外国語で論文を書くか、あるいは外国語で研究発表をする必要があるが、日々の研究に従事しつつ同時並行でそうした発信技術を磨くのはおそらく容易ではない。また純粋に語学的な「アカデミック・ライティング」のスキルを習得するのとは別に、報告・投稿・寄稿のチャンスをいかにして掴むかということも問題になってくるだろう。本セミナーでは西洋中世学に対象を限定した上で、「外国語で研究報告をしたい」、「外国語で研究論文を公にしたい」と考える人たちの参考になるような情報を提供していきたい。外国語で書く/報告することは、日本語で論文を書く/報告することと何がどう異なるのか、分野や国・使用言語による「作法」の違いはどこにあるのか、どういった心構えで望んでいるのか、何に気をつけているのか、有用なツールとして何があるのか、投稿や報告志願の機会獲得やその後の具体的なプロセスはどのようなものなのか。パネリストたちにはそれぞれの経験を踏まえ、以上の点を含む様々なトピックについて語っていただく。もちろん一度のセミナーという限られた時間内で網羅的・体系的にすべてを伝えることはできない。しかしパネリストとして登壇してもらう方々はそれぞれ英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語での執筆・報告経験を持ち、また長期留学の末に海外で学位を取得した人もいれば日本に軸足を置きながら外国語での報告・執筆に注力した人もいる。またパネリストたちはそれぞれ専門も異にしているため、個々人の経験談を基調としていても、全体としてかなり多様な情報の共有につながることだろう。
———
プログラム詳細等は近日中に御案内差し上げる予定です。
セミナー開催に先だって、中世研究分野で外国語で論文を書く、報告することについて、みなさんのご経験をお聞きするアンケートを実施することになりました。
アンケートは以下の二つがあります。
報告編
http://goo.gl/forms/QVfNm7h9ms
論文投稿編
http://goo.gl/forms/ijFJBkNhNO
冒頭の説明をお読みくださり、ぜひご協力いただければ幸いです。
締切は9月13日です。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
2015年度西洋中世学会若手セミナー実行委員会