きらめく色彩とその技法
工房の実践プラクティスを問う
―東西調査報告からみる色彩研究の最前線―
そこからのみイメージが立ち現われる、「色彩=物質的素材」
Ⅰ.第1領域:「絵画材料・技法」領域
Ⅱ. 第2領域「歴史学・文芸」領域
Ⅲ. 第3領域「美術史」領域
Ⅳ. 第4領域「現代アート制作現場よりーその光学・視覚論的アプローチ」
色彩研究はやっかいな領域であると考えられてきました。それは本質的に、領域横断的で学際的な場であってさまざまな領域が交差し、とりわけ言語で構成される分野においては言語記述の方法をめぐって深刻な問いかけが繰り返されてきました。
近年、西欧中世史家M・パストゥローが色彩についての画期的研究、なかでも『青の歴史』を世に問うてのち、わが国においても色彩研究の諸潮流はにわかにうごめきだしています。新しい研究動向として、物理・化学的調査と技法書(レシピ)の原典研究が注目されます。とくに絵画領域においては、高画質画像による「細部(ディテール)」
の情報(生々しい筆致や色斑、顔料の選択や色調(ニュアンス)の調合時に仄見える画家の個性という署名(サイン)…etc)が未曽有のミクロの視覚体験を呼び覚ましています。だが一体その「細部」=色彩の物理的痕跡にすぎぬもののなかからどのようなプロセスを介してイメージが立ち現われてくるのでしょうか?
本シンポジウムでは、4つの視点(1.絵画技法=材料・技法研究領域 2.歴史学=文芸領域 3.美術史学領域 4.現代アート制作現場)を設営し、5つの調査報告(絵画・染色および現代アートの制作現場)の事例によって、わが国における色彩研究の最前線の姿をまずは一同に呈示できる機会であることを望みました。
5つの出会いと議論を通じて、色彩という物質的素材とその技法操作のさまざまなかかわりを通して見えてくる現代的視座・地平を探索する第一歩といたします。
“意味とイメージ発生の現場”に、“実践としての色彩の操作”の意味と射程を問いかけます。
日時:平成23年12月3日(土)10:30~17:00
会場:大阪大谷大学博物館201教室
定員:150名(参加費無料・事前申込み)
パネリスト:津田やよい(大阪成蹊大学)
島津美子(東京文化財研究所)
伊藤亜紀(国際基督教大学)
小林典子(大阪大谷大学)
五十嵐英之(倉敷芸術科学大学)
[質疑応答(全体討論)] 司会:平岡洋子(東海大学)
コーディネーター:小林典子(大阪大谷大学)
主催:大阪大谷大学文化財学科・文化財学会
後援:日仏美術学会
富田林市・河内長野市・大阪狭山市・羽曳野市・藤井寺市・松原市教育委員会
*シンポジウムのプログラム等の詳細については、
http://www.osaka-ohtani.ac.jp/CGI/topics.cgi?mode=detail&seq=00001010
中のチラシをご覧ください。
【申込方法】メールか往復はがきに「名前(ふりがな)住所、電話番号(FAX番号)受講人数」をご記入の上、11月15日(火)(必着)までにお申込みください。
【お申込みお問合わせ先】大阪大谷大学文化財学科:シンポジウム「きらめく色彩とその技法」係
〒584-8540大阪府富田林市錦織北3-11-1、TEL/FAX:0721-24-1183
E-mail:tanidat@osaka-ohtani.ac.jp