日仏シンポジウム 見えないものの形―中世美術における日仏比較の試み

日仏シンポジウム 見えないものの形―中世美術における日仏比較の試み―

日時:平成23年11月27日(日)10:00~18:00
会場:日仏会館 1階ホール(東京都渋谷区恵比寿3-9-25)
定員:100名(参加費無料・要事前予約)

[概要]
西洋中世美術については、「文字の読めない人々のための聖書」、すなわち聖書の内容を文字ではなくイメージで表現したものという説明をよく見かける。しかし、実際にはこのような説明では捉えきれない多様な機能を中世美術は担っていた。そのひとつが、さまざまな「見えないもの」と人間を媒介するという役割である。このような「見えないもの」の中には、聖俗の権力、共同体の歴史や記憶、神や死者、霊魂などの不可視の存在、夢や幻視といった心的・霊的視覚にかかわる現象が含まれる。美術作品や建築といった目に見える媒体が、いかにして「見えないもの」の世界とつながるのか。本シンポジウムでは、このような美術のあり方に関し、フランスから中世美術研究者二名を招き、日本中世美術史研究者とフランスで学んだフランス中世美術研究者の参加を得て、彼我の中世美術を比較しながら議論を深めていきたい。

*シンポジウムの詳細については以下のウェブページ中のチラシをご覧ください
http://www.mfj.gr.jp/agenda/2011/11/27/index_ja.php

[プログラム]
午前の部
司会:高野禎子(清泉女子大学)
10:00-10:15 開会の挨拶
三浦篤(日仏美術学会事務局長)
クリストフ・マルケ(日仏会館フランス事務所所長)
10:20-10:30 趣旨説明
10:35-11:10 ダニー・サンドロン(パリ第4大学)
「ゴシックの大聖堂:モニュメンタルなアレゴリー―パリ、ノートル=ダムを例として」
11:15-11:50 奈良澤由美(プロヴァンス大学)
「石の記憶:初期中世の祭壇をめぐる再利用の連鎖の問題について」
11:55-12:30 高岸輝(東京工業大学)
「中世絵巻が内包する聖俗の力とそのかたち」
 【休憩】
午後の部
司会:小池寿子(國學院大學)
14:00-14:35 伊藤大輔(名古屋大学) 「神仙山水としての『信貴山縁起絵巻』」
14:40-15:15 木俣元一(名古屋大学)
「中世の写本挿絵における幻視表現と読者/観者のまなざし」
15:20-15:55フィリップ・ロレンツ(パリ第4大学)
「『私のただひとつの望みに』:禁欲のアンチテーゼとしての《一角獣と貴婦人のタピスリー》」
16:10-17:45 全体討議
司会:高階秀爾(大原美術館館長)

17:50-18:00 閉会の挨拶
辻 佐保子(名古屋大学名誉教授)
主催 日仏美術学会、日仏会館フランス事務所 助成 財団法人 鹿島美術財団

[申込方法]
 参加ご希望の方は、氏名・連絡先およびシンポジウム「見えないものの形」参加希望と記したメール(又はファクス)を下記までお送りください。    

日仏美術学会事務局 
Tel/Fax: 03-3280-2415
E-mail: art-francojaponais@digital.email.ne.jp

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