ゴナ・リン教授ワークショップ

ゴナ・リン教授を囲む講演会とワークショップのお知らせ

 科研基盤(B)「近世ヨーロッパ周縁世界における複合的国家編成の比較研究」(代表者:古谷大輔(大阪大学))は、この3月にコペンハーゲン大学サクソ研究所に属されるゴナ・リン教授を招聘して、主にデンマークを事例とした中世末から近世における複合的国家編成に関して、2012年3月2日(金)午後には立教大学にて講演会を、3月13日(火)午後には京都大学にて日本人研究者と連携したワークショップを開催します。

本科研は、近世ヨーロッパでもイベリア半島、ブリテン諸島、バルト海域、ドナウ水系などの周縁世界にて形成された国家について、君主体制下に属した複数地域間の結合論理などに着目しながら、それぞれに独特な複合的国家編成の比較検討を進めています。今回のリン教授を囲むワークショップでは、リン教授の議論に学びつつも、スカンディナヴィアにおける中世からの視点、シュレスヴィッヒ・ホルシュタインを含む神聖ローマ帝国からの視点、近世における複合的国家編成の比較例としてブリテンからの視点を交えつつ、バルト海域を舞台とした複合的国家編成の実態に肉薄します。当日の使用言語は英語ですが、皆様の参加を心から歓迎いたします。ぜひご参加ください。

1.講演

発表者:ゴナ・リン(コペンハーゲン大学・サクソ研究所・教授)
題名:Beyond the Fiscal-Military Road to State formation: Civil Society, Collective Identities and the State in the Old Danish Monarchy, 1500-1850(英語)
日時:2012年3月2日(金) 15:00-17:00
会場:立教大学5号館2階5201教室(http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/campusmap/)

2.ワークショップ

日時:2012年3月13日(火)午後2時~午後5時
場所:京都大学文学部新館2階第2演習室
内容:報告者 ゴナ・リン(コペンハーゲン大学・サクソ研究所・教授)Law, War and Nation: The Changing Logic of the Old Danish Union State 1460-1864
コメンテータ(1)小澤実(立教大学准教授)「スカンディナヴィア中世史の観点から」
コメンテータ(2)皆川卓(山梨大学准教授)「神聖ローマ帝国史の観点から」
コメンテータ(3)後藤はる美(国際基督教大学研究員)「イギリス近世史の観点から」
司会 古谷大輔(大阪大学准教授)

リン教授は、近世ヨーロッパに変質・頻発した戦争の社会的影響に着目しながら、北はノルウェーから南はシュレスヴィッヒ・ホルシュタインにまで至るオレンボー君主体制下における国家形成について長らく分析を進められ、近世ヨーロッパの国家形成論に関しては現在の北欧歴史学界を代表する研究者として知られています。
(リン教授の経歴については、http://saxo.ku.dk/ansatte/profil/?id=175466
をご参照ください。英語論文としては ‘Being States and Making Diplomacy in Early Modern Europe: The Danish Kingdom and the Dutch Republic
c.1568-1632 ‘, Tijdschrift voor Skandinavistiek 27:1(2006), s.3-23;’Elites of the Danish Composite State,1460-1864: Zones of fracture, mixing, and the struggle for hegemony ‘, in: Zones of Fracture in Modern Europe: the Baltic Countries, the Balkans, and Northern Italy Harrassowitz Verlag, Wiesbaden,2005,s.111-136.などを刊行されております。)

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