赤江雄一氏(A02班)の共編著『中世ヨーロッパの「伝統」 :テクストの生成と運動』が刊行されます

A02托鉢修道会班研究代表者の赤江雄一(慶應義塾大学)氏が共編者を務める以下の論集が慶應義塾大学出版会より刊行されます。

赤江雄一・岩波敦子(編著)『中世ヨーロッパの「伝統」 :テクストの生成と運動』(慶應義塾大学出版会、2022年)
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何が引き継がれ、何が新しいのか

人、地域、時代の狭間を運動し、テクストは万華鏡のように異なる諸相を見せ続ける。
その側面を多角的に捉える論文集。
テクストという語は「織り上げられたものtextum」という原意をもち、言葉で表現されたものに加え、図像、モチーフ、工芸品なども射程に捉える。それは常に元と同じではありえず、連なりながら新しい「伝統」を紡ぐ。

本書では、キリスト教・イスラーム文化圏を対象として、言葉が、モノが、いかに産出され、複製され、受容され、そして伝播していったのかを辿り、伝統のダイナミズムを明らかにしていく。第一線の研究者たちによる論文集

https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766428193/

目次
はじめに 赤江雄一
Ⅰ 書物と信仰
西洋中世における説教術書の伝統生成――説教術書は制度的ジャンルか(赤江雄一)
vita mixta の伝統と中英語宗教文学(松田隆美)
Ancrene Wisseの系譜とThe Tretyse of Loue(1493)(徳永聡子)
Ⅱ 神と救済
中世後期イングランドの俗語神学と救済論(井口篤)
中世後期における義認論の構図と言説――facere quod in se est をめぐって(山内志朗)
Ⅲ 権力とイメージ
ハインリヒ獅子公の誕生――新たな統治者像の生成と伝統(岩波敦子)
ペルシアの画論における伝統形成――中国、ヨーロッパとの比較から(鎌田由美子)
おわりに(岩波敦子)