(11月13日 プログラム掲載)シンポジウム「東西中世における修道院・寺社の書物文化──制作・教育・世界観の変容」のお知らせ

中近世の宗教運動(修道制や寺社)は、修道戒律、説教などの文書テクストのほか、文学作品、彩飾写本、聖堂装飾、あるいは巡礼などの仕組みも含め、多種多様な形態のメディアを駆使し、自らの宗教理念を発信していました。
学術変革領域研究(B)「中近世における宗教運動とメディア・世界認識・社会統合」(ReMo研)は、こうした諸メディアがいかに創造され、また社会に対してどのような革新的な世界認識と仕組みをもたらしたのかを比較研究しています。

2021年度のシンポジウム「東西中世における修道院・寺社の書物文化──制作・教育・世界観の変容」は、そうしたメディアのうち書物文化に注目し、その制作現場、教育への活用、世界観の変容に果たした役割を考察します。キーノートスピーチは『寺院文献資料学の新展開』シリーズを刊行中の中山一麿氏が行い、セッション1「書物の制作と世界観の変容」、セッション2「書物文化とアイデンティティの変容①」、セッション3「書物文化とアイデンティティの変容②」、セッション4「世俗物語素材と教化」の各セッションで、歴史学、美術史学、文学の各分野から報告があります。

9月1日追記:本ページの末尾に参加申込用のGoogle formを記載いたしました。

日時
2021年12月18日(土)12:45〜18:30
       19日(日)9:30〜16:00(午後に延長する可能性あり)

場所
東京都立大学+オンライン

プログラム

12月18日(土)
12:45〜13:00 趣旨説明
大貫俊夫(東京都立大学)

13:00〜13:50 キーノートスピーチ
中山一麿(大阪大学):「寺院経蔵の形成・継承・変容-蔵書の役割を視座として-」

14:00〜16:00 セッション1:書物制作と世界観の変容
安藤さやか(東京藝術大学):「西欧初期中世典礼書写本の装飾イニシアル」
長友瑞絵(東京藝術大学):「西欧中世の修道院と動物寓意テキストについて―Dicta Chrysostomi版フィシオログス写本の分析から」
阿部晃平(立教大学):「哲学の擬人化像の変容―13世紀のライプツィヒ写本を中心に」

16:30〜18:30 セッション2:書物文化とアイデンティティの変容①
林賢治(フライブルク大学):「書物の受容と修道院のアイデンティティ―ゼッカウ修道院の書物係ベルンハルトの足跡(1140~1185)を追って―」
梶原洋一(京都産業大学):「托鉢修道会のアイデンティティと書物」
川崎剛志(就実大学):「聖地と日本仏教史の再創出 ー『金剛山縁起』の偽撰と受容ー」

12月19日(日)
9:30〜12:30 セッション3:書物文化とアイデンティティの変容②
西川雄太(慶應義塾大学):「カテキズムの改変ーホプトン・ホール写本の『一般信徒のための教理問答』と読者層」
白川太郎(早稲田大学):「14世紀初頭コルトーナにおける守護聖人崇敬の形成:聖マルゲリータの『事績録』における都市と托鉢修道会」
上條敏子(藤女子大学):「マルグリット・ポレートはなぜ異端とされたのかー作品とその帰趨からみるその世界」
荒木文果(慶應義塾大学):「巨大な装飾写本―ローマ、サント・スピリト・イン・サッシア病院「教皇シクストゥス4世の生涯」の壁画とフランシスコ修道会の絵画伝統との関係について」

14:00〜16:00 セッション4:世俗物語素材と教化
山本潤(東京大学):「ドイツ語圏英雄伝承の教化素材化―ニーベルンゲン伝説およびディートリヒ伝説を題材に」
宗藤健(観音ミュージアム):「札所縁起の生成にみる在地権力と教説―佐白観音霊験譚を中心に―」
シュウェマー・パトリック(武蔵大学):「スペイン黄金世紀からキリシタン文学を読み直す──騎士物語と幸若舞、ピカレスク小説と少年使節記、イスラム拉致談と排耶書」

※報告者公募について
本シンポジウムは、若手研究者支援の一環で報告者の公募を実施いたしました。多くのご応募ありがとうございます(詳細はこちらをご覧下さい)。

参加を希望される方は以下のGoogle formよりお申し込みください。
https://forms.gle/vJ3o6kggrhq5AGeZ8

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